HELIKON-TEX GEN.III Level-7 最強暖か クライマシールド ジャケットレビュー
冬はこれ一着で問題なしの最強あったかジャケット!値段も機能も申し分なし!デザインは軍用なのでご愛嬌。
おはこんばんちは。
気になっていたHELIKON-TEX(ヘリコン テックス) GEN.III Level-7 クライマシールド ジャケット、やっと購入しました(2016年)。今年4年目。使い続けた上のレビューです。
2019/01/31 加筆修正
適当に文書を読みやすいようにしました。
2018/01/27 加筆
このジャケットと、Helikon-texのパトリオットフリースを重ね着している写真とコメントを追加しました。
2018/1/12 加筆
加筆内容:勢い余って氷点下の中サーモグラフィでジャケットの保温がどれぐらいなのか撮影しました。ガタガタ震えながら撮影したのでぜひ見て下さい。
ソフトシェルはこっち
- 全体像
- 外側のポケットはそこそこ大きい
- 内ポケットはA4サイズ
- フロントファスナーは使いにくい
- 袖はふつう
- 襟は暖かくて気持ちいい
- 着丈(後ろ側)は少し短い
- サーモグラフィによる保温効果の検証
- オマケ
- CLIMASHIELDについて
- 寒冷地専用ジャケットに対して思うこと
- まとめ
メーカーHPより抜粋
雑誌ではよく見かけるけどブランド力があるのかないのかわからない上に、メーカーはポーランドというミリタリー好きでも反応に困るHELIKON-TEX。あまりレビューもないようなので参考になればということでご報告*1。
気になる防寒機能に関してですが、使用されている防寒素材であるCLIMASHIELD(後述)のおかげもあってかまあとにかく軽くて暖かい。防風性能もピカイチで暖かいです。個人的にコイツさえありゃ他には防寒着はなんもいらねーな、と思えるぐらい無敵感が半端ない最高の一着です。気持ちいいんですよ、着てると。安心できると言うんですかね?
これを着て下はTシャツ一枚、気温8℃の箱根に行ってきましたが全く気になりませんでした。元々PCU Level7を持っていたので暖かさに関してはあらかた予測はついていたのですが、暖かい。まじでこれええな!というぐらい暖かい。
取り敢えず4回ほど暖かいと言っておいたのでどれぐらい暖かいかはわかって頂けたと思います。
全体像
カラーはコヨーテブラウン、サイズはL。182cmの自分にはぴったりでした。黒いのは付属の収納袋
ゆったりとした着心地で、単品として十二分に暖かいので相当寒くないかぎり、下にゴッツいのは着なくてよさそうな気もします。
4年目で大体わかってきました。
5〜10℃ フリースなどでオーケー
5℃以下 ジャケットの下にもそれなりの服が必要
内側の生地は首筋以外は起毛ではないので、当たり前ですが直接触るとヒヤッとして冷たいです。なので少なくとも地肌のでないロングTシャツがいいでしょう。
買い物だとか長時間野外にいる予定もないのなら、ヒートテック(極暖・超極暖)などを着てコイツをさっと羽織るだけでもOKです。
8℃の箱根では念のために同社のパトリオット フリースジャケットも着ていましたが、流石にコイツとの併用は暑すぎてこちらは脱ぎました。
クライマシールドジャケットの生地はリップストップナイロンになっています。が、そもそも生地自体が柔らかいのでハードな扱いはしない方がいいんじゃないかなー。タクティカルラインですがあくまで街着用だと思いますよ。
※最近知ったのですがLevel7は戦闘用ではなく前線基地などで待機中に着るためのものの様です。なので丈夫である必要はないみたいです。
外側のポケットはそこそこ大きい
写真左)
外ポケットのジッパーですが、思ったよりざっくりと下までさがります。そしてポケット内部に貼られたフリースがめちゃくちゃ気持ちいい。暖かくてさわり心地がいいのでついつい手を突っ込んでいたくなります。米軍に支給されていたPCU L7はポケットにフリースはないので寒いです。(男は穴があるとついつい手を突っ込みたくなりますよね)
写真 真ん中)
ポケットの口のサイズはA5ぐらい。ロディアのNo.16(14.8 × 21.0 cm)を無理なくいれれます。ポケットの中もロディア一冊が余裕を持ってはいります。横幅は完全にピッタリなので15.0cm前後ぐらいでしょうか。
写真右)
ポケット内部には小さいスリットが。
小物の分別ができます。これまたちょうどiphone7plusがぴったり入るぐらいです。中にはDリングがあって小物をひっかけておくけるようにもなってます。ドローコードも内蔵されていて、引っ張るとフードを絞ることができます。
余談ですが当日自販機から取り出したばかりのポカリを外ポケットに入れてましたが、全く冷たさが肌に伝わってこず、流石だなーと思いました。
内ポケットはA4サイズ
ジャケット内側にはメッシュ状になっているポケットがあってA4のファイルが一冊入るぐらいの幅はあります。元々寒冷地の使用を想定しているので、この中に水の入ったペットボトルなどを入れておいて人肌に温めておくこともあるそうです。
また、ジャケットの左側だけ、胸の高さのあたりに小物入れ的なジッパー付のポケットがあります。例によってiphone7plusを入れてみました。大体それぐらいのサイズです。財布など大切なものを入れておくといいかもしれません。
フロントファスナーは使いにくい
なんの変哲もないYKKのファスナーです。が、個人的にはこのファスナーは嫌いです。小さくて使いにくいんですよ。おまけにこのタイプのファスナーはデリケートなようでスライドしにくい、壊れやすい印象です。実際、同社のソフトシェルジャケットであるガンファイタージャケットのファスナーも同タイプなようですが、一度壊れかけました。
箱棒・蝶棒と呼ばれるファスナーの部分のかみ合わせが悪く、外せなかったりひっかかったりでかなりのストレスです*2。
良い意味で大雑把な出来になっていない。さっとできる印象はないですね。YKKのファスナーでももっと大型で使いやすいのはあるはず。
あとはファスナーの前面に防風用のカバーがないので、風が吹くとファスナーから熱を取られるという致命的 なところもあります。
ファスナーは一番上まで上げた時に、金属部分が顔に当たって冷たくないように生地がきちんと縫い付けてあります。このあたりは最近のジャケットでは定番なのでわざわざ書く必要もないかもしれません。
袖はふつう
ベルクロで調整できるようになってます。袖にゴムが入ってるので、袖を上げておくこともできます。特筆すべき点はないのですが、同社のガンファイターとパトリオットはベルクロのオスの部分が硬質ナイロンで出来ていて、見た目はお洒落なんですが接着力(メス側にひっかける力)が弱く、柔軟に曲がらないので半年も持たずベリベリと剥がれるようになりました。そのせいもあってものすごくよく思えますが、普通です。
襟は暖かくて気持ちいい
ここも外側のポケットの内側と同様のフリースが縫われていて、すっごく首筋が暖かくて気持ちいいです。BEYOND製PCU Level7の首筋はフリースではなく、外被素材そのままなので首筋が冷たくて不快でした(自分でフリースを縫い付けてた)。だからこの気配りはものすごくありがたいです。
欲を言えば首筋のタグがついているところぐらいまでは起毛生地があるとより暖かくていいです。
着丈(後ろ側)は少し短い
これが最大の欠点ではないでしょうか。写真をみてもらうとわかりますが、腰回りのところが身丈(後ろ側)と着丈(前側)が同じ長さになっています。
これだと前かがみになったりすると腰が出てしまいます。
同社のPatriotフリースをインナーとして、クライマシールドジャケットをアウターとして着ている状態です。※ちなみにズボンは同社のタクティカルジーンズというHelikonTexの回し者かという。
さっきの説明通りパトリオットフリースの方の着丈が長いので、下に着ると尻尾の様に少し出てしまうんですよね。カラーがともにコヨーテなのでわかりにくいので画像で両ジャケットの末端に線を引いてみました。パトリオットフリースの方が出ていることがわかります。
Pattriotフリースのデザインをこちらにも反映して欲しかったかなと思います。
余談ですが、BEYONDのPCU L7は身丈がすごく長いタイプも存在します。
サーモグラフィによる保温効果の検証
マイナス6℃の寒空の中、このジャケットの保温力がいかほどのものなのか試してみました。
左:ジャケットを着た状態 右:ジャケットを脱いだ直後
まず体感と同じ結果が出たのが驚きでした。左側の画像で注目して欲しいのは
- 首周り
- ファスナー部
- 腰回り
この3つです。この3箇所から熱が逃げています。そして私自身、この3箇所から体温が逃げるという実感があります。
- ジャケットの外側が温かい=体温が内側から伝わって熱が逃げている
- ジャケットの外側が冷たい=体温がきちんと内側にこもっている
首周り、ファスナーの部分はオレンジ色になっているので少し暖かく、ここから多少体温が逃げています。
腰回りは赤色になっているのでひどいもんです。ここからかなり熱が逃げているということがひと目でわかります。まあ丈が短いからなんですけどね。
右の画像はジャケットを脱いだ瞬間ですが、ジャケットで覆われていたお腹あたりはすごく暖かいことがわかります。
逆に、首周りや腰回りの体温がやや低いのはきちんと密閉できていないことを表しています。意外なのは首周りで、露出している部分以上に体温が逃げています。
脇は腕と胴体が密着しているので熱が逃げたというよりはじんわりと伝わったという感じだと思います。・・・と書いていて思いましたが、本格的な防寒着は脇の部分だけ別の断熱素材を貼ると保温性能は更にあがりそうです。
オマケ
中にHELIKON-TEXのロゴマークが縫い付けられた収納ポーチが入っていました。意外にも折りたたんで(丸めて)入れるのはそこまで苦労せずともできます。
ちょっとしたまくらにもなるよ。
CLIMASHIELDについて
米軍が規定する寒冷地に使用するための一番暖かい被服にあたるLevel7。これまではプリマロフトと呼ばれる素材が防寒素材として中綿に使われてきましたが、数年前からはCLIMASHIELDに変更になったようです。
単純な保温性能はプリマロフトに軍配があがるものの、耐久性はCLIMASHIELDの方が上だということ、撥水性というか水を全く吸わない素材なので濡れても内部に水を通しにくいという性能もプリマロフトから変わった理由の1つと言われています。
実際、自分が使っていたBEYOND PCU Level7でもプリマロフトが使われていましたが、結構水を含んでいた記憶があります。
寒冷地専用ジャケットに対して思うこと
2018年1月10日前後、日本海側を中心に大寒波が到来して大雪が降っています。
私が住む東海地区は雪こそ降らなかったものの、夜は-8℃と尋常ではない寒さになっています。こういう時にこそ、
風が吹いたりするとモロに体温を奪われるのでどこに問題があるかわかるので山の中に行ってきました。
首周りはマフラー的な何かが欲しい
マフラー使えよって話ですがそれは別の話として口を覆い、首周りの隙間をなくすためのマスクの様なものがあってもいい気がします。というのも正面、特にジッパーの一番上から空気が入ってくるんですよね。
体感ですが、10℃前後なら入ってくる冷気よりも体温が上回る(?)のでそこまで気になりませんがそれ以下となるとジャケット内に入ってきた冷気で一気に体温を奪われます。そうなると寒くないけど暖かくない、というイマイチな気持ちになります。
マフラーもいいんですが、やっぱ隙間ができるので縫い付けられていてスキマの無いプロテクター的なものが欲しいですね。
腰回りはベルトと接続できるゴムベルト的なのが欲しい
活動していると丈の短さが気になるときがあります。裾が上がっていき、寒いんですよね。この時に、ジャケットの裾が上がっていかないようにゴム紐みたいなものでベルトと接続できたらなぁと思います。
こうすることで常にズボンとジャケットがお互いに引っ張られ、スキマができることを防ぐことができる・・・というアイデアです。
メーカーさんどうですか。
まとめ
個人的には暖かさなどの機能性に関して手放しでお勧めできる一品です。サーモグラフィの結果では熱が逃げまくりで保温性能が無いような印象を受けますが、実際は暖かいです。
唯一気になる点は着丈の長さでしょうか。寒い時に腰が出ることほど悲しくて苛立たしいものはありません。
それ以外は軽いし、暖かいし、風も気にならない。安心できます。タクティカルな用途で使うのはどうかなーとは思いますが。
縫製も丁寧でBEYONDのPCUとは大違いです(笑)。